一応この手の業界にも直接関与している手前、こういうのは過去の例も踏まえて正直感心しないのですが、もし新規で起用するのであれば厳密に適正を踏まえたうえで選定してもらいたいものです。

ネームバリューで選定したものは大抵設定との整合が追いつかずキャラを殺すという結果を招きますので、本来の起用に於ける最低条件として『如何にそのキャラとの類似に近いか』を注視してもらいたいものです。

外画の吹き替えの場合、上記に加えて俳優の骨格に酷似していることも必須条件に挙げられていますが（主音声と副音声を同時に聞き比べると、その意図が判ります）、近年３Dキャラを演じるにあたって、その点も注視するようになっています。

もし起用するのであれば、『設定』『イメージ』『肉付け』といった意図を明確にし、示唆することが肝要になります。

個々の役者を『顔料』に準えられるその業界。

どんな顔料にしろ、あらゆる色に変幻自在に換えられる『魔法の粉』にはなれないのです。

植物から抽出できる顔料から、あらゆる技術を以てしても含有している『黒』だけは抽出できないように。

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