研究対象のサンプル選定は実にやっかいだ。
弟子たちはできることが似たり寄ったりでつまらない。ウィザードたちは自分可愛さに人前でノウハウを出そうとしないものだ。
それなら、いっそ自由に実験ができるサンプルを探したほうがいいのではないだろうか。他人にばれても事が大きくならずに処理できるサンプル…同時にヒューマンと同じような肉体の条件を持っていて、相当な魔力を持っているのは…
ケレニスがこちらをじっと見ている。何を考えているのか、奇妙な微笑を見せつつ、しばらくこちらを凝視していたが、いつしかどこかに急いで去っていった。
ヒューマンに生まれたら魔女になっていたであろう、デーモンをひきつけそうな気性。
「そうだ!デーモンがいた!」